2014年7月31日木曜日

調律師のマニュアル

調律師にはマニュアルが沢山あります、調律〜調整、修理、塗装まで色々なマニュアルが存在するのですが、それぞれのメーカーによっても、マニュアルは異なります、下の写真はよく使うマニュアルの一部ですが
上段左から
STEINWAY SERVICE MANUAL (MAX MATTHIAS)(独・英語)
先日購入した,World-Wide Technical Reference Gaide STEINWAY & SONS(英語)
ヤマハコンサートグランド 保守点検マニュアル
テクニカルアカデミー ピアノ技術の基本解説
下段
スタンウェイのサービスマニュアル、これは旧マニュアルと改訂増補版があります
ヤマハグランドピアの整調整音マニュアル
京都ピアノの技術テキストⅡ
何故か京ピもアカデミーも教科書は緑ですね。
ヤマハのマニュアルはグランド、マスター、コンサートのそれぞれの研修で配布されるモノですし、スタインウェイのマニュアルもステップⅡで配布され、アドバンス研修でも使用していました。





今回白川ピアノさんから分けて頂いたマニュアル、これはスタインウェイを触る人間にはとっても良い資料だと思います、事細かく色々な寸法や基準が記載されていますし、写真類もカラーで見やすいです。これは買いです。




 それと、これは先日ST会の全国大会の際に行われた、技術関連のDVDで、内容は、ついさっきまで演奏に使用してたスタインウェイのフルコンを技術者が寄って集って分解してしまおうってイベントの内容です、私は当日ホールの前の方で見学してたので、客席に自分も映り込んでるのですが、外装〜アクション、ダンパー、金具類、弦、ピン外して、最終鉄骨を素手で皆で持ち上げて鉄骨を裏返して、皆で検証って感じでした、その後鉄骨は戻して工房行きでしたが、大人数でやれば、2時間もあればフルコンの鉄骨が簡単に外れてしまうのは面白いです。それに、鉄骨のネジの固着が全くない!!本当は、皆この先が見たいはずなんですが、これはこれでパフォーマンス的にはインパクトあったと思います。
オーバーホールの経験のない技術者は、鉄骨すら上げた事ない人も沢山いるとは思うので。ST会以外では出回らないDVDですが、面白いと思います。



2014年7月10日木曜日

先日納品したグランド

先日納品したグランド、お客様が一目惚れして購入が決まったのでですが、スタインウェイや何処にでもあるピアノをあえて選択しないのも個性だし、音が気に入られていたので、こちらは如何に楽に弾いてもらえるかを考えるだけです。
写真は塗装の修理が終わって粗調整が終わった時の物です。
出入りのある業者の工房で納品を待つだけの状態。




アメリカでは歴史的に名の通ったピアノですが、技術者以外では全く知名度はないと思います。





アクションも個性的です。




 この手のピアノは調整に手こずりますが、お客様の希望に答えられるようコツコツ作業するだけです。なかなか面白い構造です。


身動きが取れなくなったので

倉庫の楽器が増えて身動きが取れなくなったので溜まって来たピアノのオーバーホールを仕事の合間に進める事にしました。
とりあえず時間のかかる外装関連の塗装を剥がす所から…。




掃除の手間考えると外に出して削ってしまえば作業後エアーで一吹きすればOK。とにかく
縁側まで引きずり出します。




引っ張り出した状態で外装を削りますが、ピアノ倒さなくてもキャスターさえ台から落としてしまえば棚受け柱のネジは外せるので、このまんまで柱を抜いて、またキャスター付けてと、簡単に書いてますが、重さはあるので汗が出ます。
最終棚板を外して腕木も外し、弦ピン抜いて、鉄骨下ろしてになるので、まだまだ先は長いですが、馴れた作業なので、仕事の合間に楽しみながら気長にするつもりです。




 こちらは上前板、額関連の小物は既に外してあります。




一気にざっくり。




奥丸、と言っても丸ではないですね。




下前は接ぎ合わせが割れていたので、再度膠付けして接着しないと….。




 仕事の合間に景色見るとピアノの向こうには緑しかないです。台を大きくすればピアノ引っぱり出して縁側ライブ出来るな〜とふと思ってしまいます。
次にまた誰かに弾いてもらえるようにちゃんとオーバーホールしてまた嫁に出します。
幸いここに入って来たピアノはアンティークを除き、全て嫁に行っているので、このピアノもまた誰かの愛器になってくれると思います。